バスケットボールの中で、ドリブルは最も基本的なプレーであり、突き詰めていけば状況を覆す特効薬にもなります。
しかしながら、間違った使い方をすれば一気にチームを窮地に立たせる劇薬でもあります。
ドリブルはバスケットボールの試合で数えきれないほど見かけますが、実は、ドリブルの数は少ない方が良いとも言われています。
いかに無駄なドリブルをせずにプレー出来るかは、プレイヤーの状況判断能力や視野の広さに依存します。
ですが、それらの能力が高くても、肝心のドリブルがお粗末では宝の持ち腐れです。
鋭いドリブルや高度なテクニックに目が行きがちですが、本当に良いドリブルは基本に忠実な正しい姿勢から生まれているのです。
ドリブルは手でするのではない
ドリブルのスキルを鍛えようとするとき、良く陥りがちな間違いは手での扱いを上達させようと言う考えです。
確かにドリブルするときは手でボールを操作しますが、本当に良いドリブルは全身の力や全神経を総動員した全身運動です。
そこで重要なのは、体幹の強さや重心移動時のバランス感覚、足腰の敏捷性です。
これだけ聞けば何をどうすれば良いかわからないかもしれませんが、まずは正しい姿勢を身に付けることから始めましょう。
ドリブル時の正しい姿勢とは?
ここからは、ドリブルの基本的な姿勢について話させて頂きます。
第一に意識しなければならないのは、顔を上げると言うことです。
どれだけ体の姿勢が良くても、どれだけ鋭いドライブで切り込めようと、顔を上げることが出来ていなければ良いドリブルとは言えません。
何故なら、バスケットボールの試合では絶え間なく選手が動いているので、その都度的確なプレーが変わるからです。
ドリブルでボールに意識が集中しているとそれらの動きに付いて行けず、状況判断を間違えてしまうことが多いです。
ディフェンスを置き去りにする鋭いドライブも、その先に別のディフェンスが待ち構えていれば得点に結び付くことはありません。
次に大事な姿勢は、腰を曲げずに真っ直ぐ上体を起こして、胸を張ることです。
これにも当然理由があり、腰を曲げてお辞儀するような姿勢になると自然と頭が下がり、顔を上げることが難しくなるからです。
ただしここで気を付けなければならないのは、胸を張ることを意識し過ぎてお腹を突き出すような姿勢にならないことです。
あくまでも上体は真っ直ぐに立て、その上で胸をはるように心がけましょう。
そしてもう一つ大事なのは、腰を落とすと言うことです。
感覚的には膝を曲げるのではなく、軽く椅子に腰かけるようなイメージです。
目安として、手で膝に触れる程度落とすと考えるのも良いでしょう。
その際注意が必要なのは、腰を落としたことでやや前傾姿勢になるのですが、それを防ぐ為に無理に胸を張ろうとして背中を反らせないようにすることです。
腰が曲がるのと前傾姿勢は別物なので、腰を落として前傾姿勢にはなりながらも、顔を上げて背中が反らないように胸を張ることを意識しましょう。