バスケを始める理由は人それぞれですが、大抵はバスケに興味があるからこそ始めるはずです。
そこには少なからず好意的な感情があり、平たく言えばバスケが好きなところから始めるでしょう。
しかしながら、ずっとその感情を維持出来るかと言えば、難しいと言わざるを得ません。
練習が厳しかったり、試合に出られなかったり、あるいは試合で勝てなかったり――などと言う状況が続けば、バスケを嫌いになってしまう可能性があります。
そこで今回は、バスケが好きでいられる、言い換えればやる気を保つ方法を、解説したいと思います。
やる気の種類
一言でやる気と言っても、実は大きく分けて2種類あります。
それは、「外発的動機付け」と「内発的モチベーション」です。
「外発的動機付け」とは、自分以外から影響を受けて、やる気を起こさせる練習などです。
例を挙げるならば、バスケの試合などで良いプレーをして、褒めて欲しいと言う思いや、反対に不味いプレーをして、叱られたくないと言う思いなどです。
いわゆる鬼コーチと言われる人が、練習中に怒って罰を与えることで、選手たちを必死にさせるのも、「外発的動機付け」の1種だと言えます。
この方法を用いると、選手や子供たちは無理やりにやる気を出すことになり、勝つことだけを追求するなら有効かもしれません。
ですが、以下のようなデメリットが存在します。
・楽しいと言う感情が消え去ってしまう
・言われたことをやるだけなので、想像力が乏しくなる
・視野が狭くなる(選択肢が少なくなる)
・単純な考えしか出来なくなる
・燃え尽き症候群に陥り易い
この中でも、楽しいと言う感情がなくなって、自然と生まれるはずのやる気が削がれるのは、大きなデメリットです。
また、罰による「外発的動機付け」は短期間しか有効ではなく、いずれは燃え尽きてしまいます。
内発的モチベーションとは?
上記では「外発的動機付け」の1例を挙げましたが、ここでは「内発的モチベーション」を解説します。
「内発的モチベーション」を簡潔に説明すると、「楽しいからやりたい」と言うやる気のことです。
バスケに関してなら、シュートが入ると楽しいから、ドリブルが上手くなるのが楽しいから――などです。
この「内発的モチベーション」には、以下のようなメリットがあります。
・「外発的動機付け」に比べて、長期間やる気を保てる
・「外発的動機付け」は「内発的モチベーション」を低下させるが、「内発的モチベーション」は「外発的動機付け」の効果を維持出来る
・練習強度が上がっても、それを乗り越えようと思える
・身体的にも精神的にも、成長を促すことが出来る
これらのことから言えるのは、「外発的動機付け」で無理にやる気を出させるよりも、「内発的モチベーション」を高める方が、長い目で見て効果的だと言うことです。
それでは、どのようにして「内発的モチベーション」を保つかですが、以下のような方法が考えられます。
・選手や子供たちに、出来るだけ多くの決定権を与える(自分たちで考えさせる)
・駄目なところを指摘するだけではなく、どうすれば改善出来るかを的確にアドバイスする
・他の選手や子供と比べるのではなく、その人が過去よりどれだけ成長出来たかを考える
・一方通行ではなく、互いに尊敬の念を持った関係性を作る
勝つことに拘るのが悪いとは言いませんが、特に子供たちには楽しさを教えることが大事でしょう。
その上で安全性を考慮して、成長を実感出来るような指導を心掛けて下さい。