バスケットボールのシュートには様々な種類があります。
花形と言われるダンクシュートや、ハイレベルなプレイヤーが撃てば芸術の域に達する3Pシュート、基本的なジャンプシュートやレイアップシュート。
バリエーションを入れれば他にもまだまだあります。
その中でもインサイドでシュートする場合、ゴール近くでの攻防では高さが要求されるケースが多いです。
そこで今回は、高さで劣る選手でもゴール近くでの得点力を上げる為に有効な、ユーロステップについて話させて頂きます。
ユーロステップを理解しよう
もしかしたら、ユーロステップと聞いてもどのようなプレーかすぐにはわからない人もいるかと思いますので、まずは簡単に説明したいと思います。
ドリブルの進行方向にディフェンスがいて、その前を右、左のようにワン・ツーステップで躱すのがユーロステップです。
インサイドに侵入すると、大抵の場合ディフェンスはペイントエリアを狭めてくるので、コースがかなり限定されることになります。
そのような状況で効果を発揮するのが、ユーロステップです。
ユーロステップの難しい点は、自分がフリーの状態で使うことは出来ても、いざディフェンスを相手にすると失敗することが多いと言うことです。
何故ならユーロステップはそれ単体のテクニックではなく、ディフェンスとの駆け引きに勝利してこそ真価を発揮するからです。
相手のプレーを誘導しよう
ユーロステップを成功させる方法をお教えする前に、基本的なランニングシュートについておさらいしたいと思います。
右利きの選手がランニングシュートを行う場合、ボールをキャッチして右→左とステップを踏みます。
しかし実際には、ボールをキャッチする前にもう一歩、左のステップを踏んでいるのです。
ユーロステップを練習する上で重要なのは、この最初の左と次の右のステップです。
熟練者になればなるほど、ディフェンスでは相手の動きを予測して動きます。
そしてランニングシュートをディフェンスする際は、右→左のステップではなく、ボールを持つ前の左→右のステップから予測するのです。
通常ランニングシュートをするときは、ボールを持つ前の左→右→左の順にステップを踏み、この三つはほぼ直線上に足を踏み出します。
つまりディフェンスは、ボールを持つ前の左→右の動きから最後の踏切位置を予測し、そこに体を割り込ませます。
そこでユーロステップの出番です。
ボールを持つ前の左→右のステップで相手を誘導し、その瞬間にユーロステップで躱す。
これがユーロステップの基本であり、コツでもあります。
要するに、最初の二歩でどれだけディフェンスを引き付けられるかが勝負と言えます。
ここでポイントとなるのは、ステップを大きく深く踏み出すことです。
小さなステップをしてしまうと、ディフェンスの動きに反応出来ず、結果失敗してしまう可能性が高いからです。
更にユーロステップはその性質上、方向転換する力が必要なので、そう言う意味でも強く踏み込んで力を溜める必要があります。
最後に覚えておいて頂きたいのは、ユーロステップは考えてするモノではない、と言うことです。
これは他のプレーにも言えることですが、どこにどうやってステップを踏むか考えながらしているうちは、効果的に使えていないと思ってもらって構いません。
基本のプレーと同じように、体が自然と反応するくらいまで反復練習を繰り返して初めて、武器と呼べる精度と言えるでしょう。