バスケットボールにおいてパスは、様々な意味を持ちます。
良いパスは良いリズムを生み、結果プレーのクオリティが上がります。
高い得点力を誇るスコアラーが活躍するときも、その選手が気持ち良くプレー出来る状況をパスで作り出す必要があります。
また、ハイスピードのパスワークによって、ディフェンスを崩すことも出来ます。
このようにパスは単にボールの受け渡しをするのではなく、試合の流れに影響したりチームの得点力に大きく関わっているのです。
良いパスは一人では出来ない
バスケットボールでパスの練習をするときに常に念頭に置いて頂きたいのは、相手がどのようなパスを望んでいるのか、どのような意図でパスを出すのか、と言うことです。
例えば、シュートをしようとしている味方にパスを出すときは胸の辺りを狙いますが、ドライブを仕掛けようとしているのなら、バウンドパスなどで低めに出す必要があるでしょう。
これらは普段の練習から意識しないと身に付かない感覚であり、常日頃からチームメイトのプレー傾向や考え方を意識しなくてはなりません。
どれだけ精確でスピードのあるパスが出来ても、それが効果的なパスでなければ意味がありません。
むしろ、望んでいないパスを受けた味方の調子を崩しかねませんので、バスケットボールの試合においてパスが持つ意味をしっかりと考えて、独りよがりなパスを出さないようにしましょう。
パスは手でするのではない
では、今度は具体的な技術について話したいと思います。
バスケットボールのコートには敵味方合わせて10人もの選手がひしめき合っているので、中途半端なパスを出せばすぐに相手にカットされてしまいます。
それを防ぐ為にはスピードのあるパスを出すことが有効ですが、ここで注意するのは力任せにボールを投げないことです。
手だけでボールを放ると、シュートで言う手打ち状態になり、スピードのあるパスは出せません。
大事なのは重心移動で、下半身で生み出したエネルギーを効率良く腕に伝え、手首を返してスナップを効かせることでボールに回転を加えます。
腕を伸ばし切るまで手を前に出し、親指が下を向くような形になるようにしましょう。
これによってボールは安定性とスピードを持ち、楽にパスすることも出来ます。
ただし、回転はかければかけるほど良いと言う訳ではなく、相手の取りやすい適度な回転を心がけて下さい。
そして、パスを出すときは相手のことを凝視せず、コートを広く見る視野を持ちましょう。
パス自体の技術がいくら上がっても、どこにパスが出されるかわかれば相手のディフェンスの餌食になります。
このように、パスはそれ単一のプレーではなく、様々な要素が複雑に絡み合っています。
精確性、スピード、味方との呼吸、広い視野、このどれが欠けても良いパスを出すのは難しいので、全てを万遍なくレベルアップ出来るように練習することをお勧めします。